一切の欲と怒りと無知から
心を完全に解き放ち、
絶対自由の境地に
達するための修行法
修行の意義
人間の喜びとして最上の究極的なものは、根源的な自由を得て悟りを開く、あるいは解脱することではないでしょうか。
悟りあるいは解脱とは「一切の欲と怒りと無知から心を完全に解き放ち、絶対自由の境地に達すること」です。
修行の方法
この境地に達するための修行法として、坐禅(座って行う瞑想)、立禅(立って行う瞑想)、動禅(瞑想としての気功)、武禅(瞑想としての武術)などがあります。
また、以上の修行法については、禅の家庭教師としての出張個人指導(マンツーマンレッスン)を行なっております。お申し込みに関しましては、このサイトの最後に掲載いたしましたので、ご覧いただければ幸いです。
以下その修行法について述べてゆきます。
清心不還道 立禅・動禅・武禅の稽古次第
1立禅 30分
2 揺(ゆり) 10回 1分
3 ゆる体操 5分
4 拳振り当て(平行立ち・左右交互) 3分
5 入身歩法 5分
6 一之当ての形(左右交互) 20分
7 拳統一力養成法(左右交互)各10秒×2セット 1分
8 拳固め(左右交互)30回 2分
9 やわらげ 3分
10 あまつかぜ 10回(左右交互) 1分
11 調息功 3回 1分
【所要時間 72分】
留意事項(1)
稽古中は、達人の脳波と言われるシューマン共振(7.83Hz)の動画を流しておくこと。
https://www.youtube.com/watch?v=sn6m7Zz87L4&t=393s
留意事項(2)
稽古中は、マインドフルネスを行っていること。
マインドフルネスとは:
「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価せずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」(なお、ここで「観る」とは、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味である) 【日本マインドフルネス学会】
※清心不還道(せいしんふげんどう)の名称の由来について
「清心不還」は、「心を清くして還らず」と読みます。「清心」とは、わかりやすく言うと「心を清くするということ」、即ち、欲・怒り・無知などの煩悩を断つことを意味し、「不還」とは仏教用語で、もはや人間界に戻ることなく、梵天界以上の階位に上って悟りに至る者のことです。つまり、「清心不還」とは、煩悩を断ち、悟りに至り、死後もうこの世に生まれ変わることがない者という意味です。故に、清心不還道とは、その境地に至るための修行法です。
稽古次第の解説
立禅について
立禅とは
意義;立禅は膝を少し曲げた状態で立ち続けるので足腰のトレーニングにもなりますし、「禅」と付くだけあって精神修行にもなりますので、一石二鳥です。
方法;具体的なやり方は、以下の通りです。
1. 両足を肩幅に開き、平行にして立つ。足指でしっかり床を掴みます。
2. 重心を両足の「親指」と「親指の付け根」に置きます。
3. 両足首を内側に軽くしめるようにします。(重要)
4. 骨盤を直立させ、背筋を真っ直ぐにするとイメージします。
5. 顎の下に気のボールを挟んでいるとイメージします。
6. 両手を肩と心臓の間に置き、手の平と胸の間は30cm程開け、両手指の間も30cm程開けます。
7. 肩の力を抜き、両肘の間に棒を一本入れるとイメージし、その棒の両端を両肘で軽く押さえるとイメージします。手首の下角(したかど)と上角(うえかど)でもの引っ掛けるように操作します。(口伝あり)
8. 目付けは、前方斜め下45度方向を見ます、あるいは半眼にします。
9. 体全体で「上下」の力を感じるようにします。(重要)(口伝あり)
10. 壇中(というツボ)辺りの力を抜きます。
11. 両膝前に丸太が一本横たわっているとイメージします。
12. 後ろ腰のところに壁があるとイメージします。
13. 両掌にある労宮というツボを臍下丹田に向けます。(重要)
14. 踵と床の間に新聞紙一枚分の隙間を開けます。(重要)
15. 臍下丹田に意識を置きます。
16. 両腕で大きな気のボールを抱えているとイメージします。
17. 呼吸は自然呼吸です。
参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=lLyhLBZXzaQ
https://www.youtube.com/watch?v=8AfqclLOjjk
立禅の効果
・足腰の遅筋とインナーマッスルが鍛えられる
・体軸がしっかりしてくる
・バランスの改善
・全身の協調
・運動神経や反射神経の向上
・速筋を使う神経が刺激され、動きが素早くなる
・リラックスの体得
・内臓の位置の正常化
・身体の内側に対する鋭敏な感覚
・気感を得る
揺について
揺とは
立禅から、ゆっくりと糸を繰るように腕を伸ばしたり、縮めたります。 立禅を継続すると身体中にバネのような弾力や波を受けたような抵抗感があらわれます。 それらの感覚は微妙なもので、むやみに動くとすぐに消えてしまいます。この抵抗感を利用して全身の筋肉、関節、神経と意識が統合された状態を維持しつつ動く為の稽古が「揺(ゆり)」です。
この武禅の稽古は“静″から“動″へと移行していくものです。すなわち静をもって“気″を養成し、動をもって“気″を発揮するのです。
立禅が終わったら硬直した精神と肉体をほぐしてやらねばなりません。この武禅では、この動を“揺″と呼んでいます。
この“揺″の動作は、手の形、技術などの正確なやり方よりも、立禅の延長として考え、気分を大切にして行います。
◆注意点◆
立禅を長く組んだ後に、ゆっくりと両手を下げると同時に膝を伸ばし、更にゆっくりと気分をととのえる動作を行います。
禅を組めば身も心も自然に静に戻ります。しかし、禅が終ってすぐに飛んだり跳ねたりしたのでは何にもなりません。禅の気分を大切にしながら静から動へと移行していくことが肝要です。揺はこの意味において動への先がけとなる最初の動作ですから、特に気分を入れて大事に行う必要があります。
揺の気分は、大きな木を自分の方へゆっくり引きつけるような、そして押し返すような感じです。手の形ばかりにとらわれているとどこか不自然な揺になります。
揺はあくまでも立禅の一環としてあるので、立禅が自然に揺の動作に移行したと思えばよいのであり、別々に考えて動くと何の役にもならないです。揺は立禅の延長なのです。
揺のやり方
◆動作◆
立禅から手を静かに下げながら、足を伸ばして自然体で立つ。
立禅から離れて揺の動作に移る時は静かに元に戻します。物を引きつけるように手を動かします。
あまり意識的に腰を落したりしないで、できるだけゆつくり行います。引きつけた手を前方へ力を入れずに、ゆっくり押し出します。
以上の動作を10回繰り返します。
揺の効果
立禅が終わったら硬直した精神と肉体をほぐす効果があります。
この“揺″の動作は手の形、技術などの正確なやり方よりも、立禅の延長として考え、気分を大切にして行います。
ゆる体操とは
体をゆるゆるにゆるめる、健康効果の高い体操です。
ゆる体操を行うと、固まったからだを上手にゆるめることができます。すると体のコリや冷えがスッキリ解消し、血液や体液の循環が良くなり、深い呼吸ができるようになります。新陳代謝が活発になりますから、体が元気に、見違えるほど若返ります。心も体もリラックスしてきます。
(全体的に口伝あり)
参考動画 https://www.youtube.com/watch?v=qxE4QLPXmHE&t=132s
拳振り当てとは
その場立ちによる当身の素振り練習です。やり方は、空手の下突きのように、拳の甲を下にして握り、それを短刀の振り突きのように突きます。当てる的を決めるか、巻藁があればそれを「拳振り当て」にて突きます。これを3分間行います。
重要な点は、上半身の力を抜き、拳が当たる瞬間に拳に力を入れます。そのとき、臍下丹田にも力を入れます。ただし、最初のうちは、雑巾をしぼるくらいの力で十分です。それに慣れたら徐々に力を強くしてゆきます。拳を出すスピードも最初は、最大速度の60%くらいから始めて、だんだん速くしてゆきます。
入身歩法とは
入身当ての入り方を覚え、 かつ足腰を鍛えます。まず、最初に足を肩幅にして平行立ちで立ちます。そこから、左足をやや広めに一歩出しながら、左拳にて拳振り当てをします。いわゆる入身当てです。次に、その姿勢から今度は右足をやや広めに一歩出しながら、右拳にて拳振り当てをします。それを向こう側の壁まで行い、今度は反対側の壁に向かって、以上のことを行います。これが入身歩法です。
歩法の速度は、通常の歩行速度よりもゆっくりとした速度です。要は歩行している動作を意識できるスピードで行ってください。
※この項目は口伝にて教わってください。
極意(一之当て)の形
相手の攻撃の起こりに合わせて相手の側面に、当身を入れつつ、入身する技です。
稽古の方法は、まず前方1.5メートルくらいのところに、自分の鳩尾の高さの的を定めます。その的を入身をして“拳振り当て“にて、左右交互に打ちます。その際に、1.5メートル先の相手の正中線と自分の正中線を合わせるようにし、それが合ったら入身当てを打ちます。これを只管(ただひたすら)行います。故に、これを「只管入身当て」と言います。
なお、この「只管入身当て」は相手の認識や予測をズラのがコツです。もう少し詳しく言うと、この「ズラす」という前に、「相手の攻撃意識」といった、目に見ることのできない想念に、自分の心を意識して「合わせ」ます。つまり、「相手が前にでて攻撃してくるときに発生する“勢“」に自分の心を合わせにいく、というイメージです。この相手の攻撃意識と合わさった状態から自分は相手の攻撃線から外れるつまり相手の予測をズラすわけです。そうすると相手は「腑抜け」の状態となり、こちらの攻撃が可能となります。いわゆる「合気」を使った技となります。
⚠️「一之当ての形」の口伝:
- 不動立ち(逆八字立ち)。
- 両踵の間は拳3つ分、両爪先の間は拳4つ分開ける。
- 足指で床を力強く掴む。
- 体をグニャグニャにし、肩の力を抜く。
- 自然体で立つ(踵、お尻、肩甲骨、後頭部を一直線にする)。
- 重心は爪先。膝を軽く曲げる。骨盤を直立させる。目付けは相手の喉元。
- 相手の正中線と自分の正中線が合う。
- 入身して当身。残心。
参考動画:
https://www.youtube.com/watch?v=vEWi9Gqr-7U
拳統一力養成法
呼吸も含む身体のさまざまな能力を総合統一した力を「統一力」と言い、それの鍛錬法が「統一力養成法」です。
やり方は、一人でやるときは、壁や柱に対して拳の甲を下にして、タオルを8つ折りぐらいにしたものをクッションに使い、それに拳の中指の第三関節(拳頭)を当て、逆三角前屈立ちになって、拳で壁あるいは柱を10秒間押します。これを左右交互に3セット行います。この時、呼吸は吐いています。同時に、臍下丹田に気を入れるイメージで行います。
相対練習のときは、壁の代わりに自分の掌と相手の掌を合わせて、その他は上記の一人でやるときと同じ方法で行います。
拳固めとは
拳骨を鍛えるための方法です。やり方は、畳の上か、床に布団を敷き、その上に半跏座で座り、左右の拳骨を座布団の上に垂直に置き、両拳骨で体全体を畳あるいは座布団から持ち上げます。このとき臀部は畳あるいは座布団から浮いた状態です。
次に左拳骨に体重を乗せ、右拳骨を上に挙げて、全体重を右拳骨かけて下に落とします。その際は右拳をしっかり握り、手首にも力を入れて、手首が曲がって捻挫しないように注意します。
次に左拳で同様に行います。
これを左右交互に10回繰り返します。慣れてきたら数を増やしてゆきます。
やわらげとは
気流法・メビウス∞の環の舞の初歩の基本となる動きです。(詳しくは、「メビウス身体気流法、坪井繁幸著、平河出版社」をご参照ください。)
やり方:
1. 両手を胴から40~50センチ離し、肩から胸くらいのところに上げ、表から裏返しつつ、またそこから表に返しつつ左右へメビウス型∞に巡らします。(口伝あり)
2. 但し、このメビウス型∞は上からみてもメビウス型∞になっていること。
3. 両掌の距離は、体の中心に近いところで互いに近くなり、側では互いにやや離れます。
4. 必ず体の中心部を通ること、その際はやや合掌の形に近くなっています。
5. この動きと呼応して、全身も波動のように動きます(全身でメビウス型∞を描く)。そのためには、絶対に手首が日本の舞踊か盆踊りのように内側へ巻き込まれないように気をつけます。そのためには肘の用い方が大切になります。もし、手首が内側に巻き込まれたらのぼせ気味になったりするので注意。特に掌が伏している状態から上向きになる時、そのことに注意。肘をやや外に張り出すようにすればよいです。
6. 速度は様々ですが、初めての人は2秒で一巡するくらいがよいでしょう。
7. 掌の開き方は、気流法で〈やわ手〉と言っている開き方が基本とな
なります。掌を開きますが、掌心がややくぼみ、指は張りをもたせ、しかも柔らかく伸ばします。
8. 目線は、上を向いた方の掌の指先のさらに向うの遠くの空間に放ちます。あるいは前を向いたままでもよいです。
9. 自分に合った音楽を流して、それと共に行ってもよいです。
10.この動きのリズムで全身、内も外もくまなく気が生動していることが感じられてくるとよいです。
11.立って行ってもいいですが、座ってもよいです。
あまつかぜとは
螺旋状の動きと共に息を吸いつつその人の身に許容されたすさまじいエネルギーを、再び螺旋状の動きと共に呼気に乗せて外へ、一定の方向で発揮する身体操作法です。(口伝あり)
やり方:
1. 東向きに立ちます。両足の間隔は肩幅の1.5倍くらい。力まず、ふんわりと立ちます。
2. 両手を大きく右側やや後方へ。上側にある右手の掌は下向き、下側の左手の掌は上を向けています。顔も右側を向きます。体もやや右へ傾きます。そして、目線を遠く、右側やや上方へ放ちます。例によって〈気〉も放ちます。
3. 息を吸いつつ、遠くの空間をこちらへ引きけるような感じで、体を少し左へ傾けつつ両手を右から中央、中央から左側、そして上方に旋回させてゆきます。(吸う息ははじめゆっくり、そして強くしてゆきます)、左側に両手が来ている時は体が左へ傾いてよいです。要するにぐ
るりと円を描くわけです。
4. 旋回させた両手は、左手が上になり、右手が下になって右側へ来ます。この時身体は右側にやや傾きます。(大体ここまで息を吸ってきます。)
5. 息をしっかり、大きく吐きつつ、思い切って、左側(やや後方)まで〈はらう〉動作をします。目線は両手指先の遠く、左側やや上方を見る(つまり、手の先方) 上になった左手の掌は下向き、右手の掌は上向きになっています。体全体も左へいく感じで、この時、右側の足はやや浮きかげんになります。(息を吐くときは、序・破・急で、はじめゆったり、そしてぐっと強くし、再び序・破・急で思い切って吐き切ってゆきます)息を吐くかわりに、「イヤーッ」と発声していってもよいです。
6. 5が終わったらそこから再び息を吸いつつ右側へ両手が旋転してゆきます。
(以上口伝あり)
以下の動画を参照のこと。
調息功とは
最後に呼吸を整える身体操法です。
やり方:
まず、足を肩幅に開き、外八字立ちとなります。両腕を体側に垂らして、そこから左右両側から腕を上に挙げて行き、額のあたりで止めます。ここまで息を吸いながら、かつ肛門括約筋を締めながら、6秒。ここで2秒息を止めます。その後、両掌を下にして息を吐きながら、かつ臍下丹田に力を入れながら、12秒かけて両掌をゆっくり降ろし、最後は、最初の腰の両側に置きます。これを3セット繰り返します。なお、呼吸は逆腹式呼吸法で行います。
(以上口伝あり)
最後に〈発力〉の口伝あり。
参考動画:
https://www.youtube.com/watch?v=f2VBYlYl3ac
現世において「悟る(解脱する)」ためには、何を実践する必要があるのでしょうか。
まず、私たちが悟りに達するための基本的な道筋が、厭離(無執着)から離貧(欲から心を解き放つこと)、離貧から解脱、そして解脱から解脱知見(解脱を知る智慧)へという流れです。では、この道筋を成就するために、実践者が具体的にやらなければならないことはなんでしょうか。
現世における諸々の煩悩の流れを堰き止めるものは「気づき」であり、その流れは智慧によって塞がれます。つまり、自然のままに放っておけば対象への執着へと流れていく煩悩の働きを、まず止めるものは気づきであり、そしてその流れを塞ぐ、即ち根絶するのが、智慧であるということです。
この「気づき」というのは、現状に気づいており、自覚的であることだと、考えておいていいでしょう。 つまり、認知が起きた時に、修行者の内面に対象への貪欲があれば「ある」と気づき、なければ「ない」と自覚します。
以上を修習するための方法として、マインドフルネス瞑想があります。これは、サマタ瞑想(止)とヴィッパサナー瞑想(観)をセットしたものです。サマタ瞑想は呼吸瞑想と言われ、ヴィッパサナー瞑想は気づきの瞑想と言われます。サマタ瞑想で養った集中力でもって、ヴィッパサナー瞑想では身体を観察していきます。また、ヴィパサナー瞑想である四念処観の四念処とは「四つの念ずる処」ということです。それはどこにマインドフルに注意を向けるかを教えるものです。その念ずる処とは、「身(身体感覚)」「受(感情反応)」「心(認知反応)」「法(世界観・法則性)」の四つです。
この四念処(における気づきの実践)こそが悟り・解脱を実現するための「唯一の道」であるとも言われています。
この気づきの実践について、それがマインドフルネスと英訳され、世界中からいま注目されています。またそれは「衆生が癖によって盲目的に行為し続けている状態(煩悩)を差し止めるために行う実践でもあります。
即ち、歩いている時には「歩いている」、立っている時には「立っている」などと、いかなる時でも自分の行為に意識を行き渡らせて、そこに貪欲があれば「ある」と気づき、なければ「ない」と気づいている。そのような意識のあり方を日常化することで、慣れ親しんだ盲目的で習慣的(=煩悩の流れ)を「堰き止める」ことが、気づきの実践になるわけです。
このような気づきの実践を行って、内外の認知において生成し消滅する現象を観察し続けることで、修行者は苦なる現象を厭離(厭い離れて)、離貪して(貪りを離れて)、執着することがなくなります。
マインドフルネスが日常化し、自分の行為に常に意識を行き渡らせている修行者は、現象をありのままに見て(如実知見して)、それを実体視することがありません。そして、仮に内面に貪欲が起こったとしても、それもまた一つの現象として、ただ「ある」と気づくだけで、それを執着に発展させることがないのです。
ただ、それを本当の意味で実現するには、煩悩の流れを単に「堰き止める」だけではなくて、それを智慧によって「塞ぐ」こと、即ち、煩悩を残りなく滅尽することが必要です。
(参考文献:「仏教思想のゼロポイント」魚川裕司 著、新潮社 および「武術瞑想」湯川慎太郎、誠心書房)
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは、次のように定義されています。
「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価せずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」(なお、ここで「観る」とは、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味である)[日本マインドフルネス学会]
そして、このマインドフル状態になるための方法が「マインドフルネス瞑想」です。
定義のポイントは次の2つ、細く言うと3つです。
(1)今この瞬間(今ここ、Here Now)の体験に意図的に意識(注意)を向けること
(2)その際、評価をしないこと、あるいは、価値にとらわれないこと
((3)注意を向ける対象は、あらゆる身体感覚に始まり、その上で生じる心の状態だということ)
すなわち、実践的には今ここにある自身の「からだ」と「こころ」をただ観察すること、それがマインドフルネスです。また、そうした状態であることをマインドフル(mindful)だと言います。
ちなみに、マインドフルネスは、漢語で「念」と書きます。念という漢字を分解してみますと、「今+心」すなわち、今の心です。つまり、念とは「今ここに心を留める」ということを意味しています。
(「空手と太極拳でマインドフルネス」湯川進太郎 著、BABジャパンより抜粋)
マインドフルネスは,坐禅や ヨーガや気功といった身体的な方法が用いられます。つまり,心で 心を制御しようとするのではなく、身体で心を調えようという考え方 です。調身・調息・調心です。 このように瞑想的なアプロー チは,身体を調え,息を調えます。 そうすれば自ずと心が調います。 これはそのまま,武術に通じま す。武術は身体的なアートです。 術そのものは他者を制圧するテク ニ ッ ク で す が ,稽 古 の 中 身 は ,一 定の形(型,套路)をひたすら練 ることに尽きます。その際に最も 重要な要素が「呼吸」です。この ように武術は,身体と呼吸を観察 し調える,そういう営みです。つ まり,行為の本質としては瞑想そ のものなのです。
(「Mindful Meditative Martial Arts、湯川進太郎」より抜粋)
参考動画:マインドフルネス瞑想 20分間参考動画:慈悲の瞑想 15分間マインドフルネス瞑想のやり方
最もスタンダードな瞑想、『マインドフルネス呼吸瞑想』のやり方
瞑想にもさまざまなやり方がありますが、ここでは最もスタンダードで誰でもやりやすい「マインドフルネス呼吸瞑想」をご紹介します。
●マインドフルネス呼吸瞑想のやり方
椅子または床に座る
座り方に決まりはありません。椅子に腰掛けても床にあぐらをかいてもOKです。ただし、深い呼吸ができるように背筋が伸ばせる座り方をしてください。
呼吸に意識を向ける
肩の力を抜いてリラックスし、目は閉じるか半目に。ゆったりと自然なペースで呼吸をし、意識を呼吸だけに向けます。
【呼吸のしかた】
できれば腹式呼吸(息を吸うときにお腹を膨らませ、息を吐くときにお腹を萎ませる)を。難しい場合は無理に腹式呼吸をしようとしなくても良いので、自然な鼻呼吸を心がけましょう。
【呼吸の意識の仕方】
空気が入ったり出たりするのを感じられる部分(鼻先・鼻の中・お腹の動き)に意識を向けましょう。吸うときと吐くときの温度の違い・空気が体に入ってくるときの感覚・出ていくときの感覚を感じてください。途中で頭に何か他の感覚や考え方が浮かんできても、気にせずそっと意識を呼吸に戻します。
●瞑想をする場所
瞑想をする場所はどこでも構いません。最初はリラックスしやすい場所・人の声や物音が少ない、気が散りにくい場所が良いでしょう。慣れてくると、オフィスの自席や電車の中などでもできるようになります。
●瞑想をするタイミング
瞑想をするタイミングとしておすすめなのは、
「活動を切り替えるとき」です。
・起床後これから活動を始めるとき
・仕事を始めるとき
・別の業務に移るとき
・寝る前など。
会議の前に全員で瞑想を取り入れる会社もあります。そうすると意識がスッと切り替えられて次のタスクに臨みやすくなるのです。
また、今はテレワークで仕事と生活がひと続きになっていて、オンとオフの切り替えられないと感じている方も多いと思います。そういった方はパソコンに向かう前にするのもおすすめです。
マインドフルネス呼吸瞑想ポイント
●最初は5分から、毎日続けることが大事
呼吸に意識を向け続けるというのは想像以上に大変です。「最初のうちは5分やるのも精一杯」という方がほとんどですが、毎日少しずつでも続けることに意味があります。続けるうちに、意識の向かう先をコントロールすることがだんだん楽にできるようになるはずです。最初は1回5分から。最終的には30分程度できるようになれると良いでしょう。
なお、瞑想を始めたからといってすぐに何か大きなメンタルの変化が訪れるわけではありません。しかし、1回5分を1日に何度か行い、それを2ヶ月程度継続すれば、「集中力が上がった」「感情のコントロールをしやすくなった」「ここぞというときに頭がさえるようになった」「適切な状況判断ができるようになった」などの変化を実感する方が多いようです。
●途中で意識が逸れてしまってもOK!
瞑想と言うと、「頭を空っぽにしないといけない」「無になれないとダメ」と思っている方は多いかもしれません。でもこれは誤解。物音に気を取られて意識が逸れてしまったり、何かを思い出したり、考えが浮かんできたりするのは仕方のないことです。「あ~今他のこと考えちゃった!」と終わりにしたり、集中できていないなと判断したりせず、「あ、意識が逸れたな」と認識し、呼吸に意識を戻せばOKです。
●瞑想をやらない方がいい人・やらない方がいいタイミング
PTSDや中等度以上の不安障害などの精神疾患を抱えている方は、瞑想中にフラッシュバッグが起きたり混乱をきたしたりする恐れがあります。不安がある方は実践する前に専門家に相談してください。また、お酒を飲んだ後・食後すぐは避けた方がいいでしょう。
マインドフルネスの実践で、ポジティブな毎日を。
精神的ストレスの原因は「今ここで起きているわけではないこと」がほとんど。
過去の出来事を思い出したり未来に起こるかもしれない出来事を想像したりして、悲しみや不安・絶望・怒りなどを感じるのです。だからこそ、毎日を幸せに生きていくためには、“今ここ”に意識を向けて、“今できる最善”のための行動をとることが大切です。しかし、現代の生活において、「今この瞬間」に注意を留めるのはなかなか難しいことかもしれません。いつも予定に追われ、先のことばかり考えている方は多いでしょう。また、スマホなどのデジタルデバイスの存在も、自分自身に意識を向ける妨げになっていると言えます。
そんな時代だからこそ、マインドフルネスの実践によるメンタルコントロールをおすすめします。ぜひ今日から1日5分の瞑想をはじめてみてください。
マインドフルネス瞑想についての絶対におすすめの動画:
https://www.youtube.com/watch?v=rwZX5JlaBkI
https://www.youtube.com/watch?v=373DW0hGkD0&t=17s
1日10分で心が整うマインドフルネス瞑想 初心者でも簡単 基本の呼吸瞑想
https://www.youtube.com/watch?v=22J1DihE9BE
参考動画:瞑想をはじめよう マインドフルネス瞑想入門 朗読と解説
https://www.youtube.com/watch?v=AhdZYesvuak
参考動画:超速で悟りに達するために眼耳鼻舌身意を観察するヴィパッサナー瞑想
https://www.youtube.com/watch?v=TisoR0QmO_E
参考動画:ブッダの呼吸瞑想――呼吸の気づきから覚りに達する道(相応部「一法経」を読む)
https://www.youtube.com/watch?v=FyGZuJPgTZY&t=3436s
※ お釈迦様は「真理」、つまり「普遍的で客観的な事実」を発見しました。そこで釈尊は真理に基づき、「このようにすれば幸せになります。どうぞ自分で確かめてください」と語るのです。「私を信じなさい」とは言わないのです。その意味で、仏教は宗教ではありません。どんな人間にも当てはまり、それを自分で確かめられる、証拠に基づいた科学的な教えなのです。(アルボムッレ・スマナサーラ スリランカ初期仏教長老)
動禅としての気功(スワイショウ)とは
スワイショウは、甩手と書きます。これは日本語には無い漢字です。
さて、甩手というのは「手を振る」ほどの意味です。ですので、やり方といっても実に簡単、手を前後に振るだけです。
気功(スワイショウ)のやり方
では、具体的な形を説明していきましょう。
【前後のスワイショウ】
はじめに足を肩幅くらいに開き、膝を少し曲げておきます。
腕を前後に振ります。
前に振る時はだいたい肩の高さです。
後ろに振る時は腰の少し後ろくらいで充分。腕の重みで自然に後ろに行くくらいの振れ幅です。
このとき、肩甲骨も腕に引かるので少し後ろに行きます。腕の振りにつられて体も前後に揺れます。リラックスして揺られるのに任せましょう。
この前後のスワイショウは、1日2000回(所要時間40分)を目標とし、毎日行うこと。20分(1000回)を2回に分けて行っても良い。
参考動画:
https://www.youtube.com/watch?v=bXgFs9Caky4
スワイショウの効果
前後のスワイショウ:
続けるうちに肩や首周りがほぐれ、ゆったりした気分になってきます。
たったこれだけの事ですが、スワイショウは全身の強張り、力みを緩和し、血行や気の流れを良くしてくれます。
また、怒り・焦り・不安といった刺々しい感情を和らげますから、仕事のストレスも減ってきます。
武術の練習方法としては、身体の力みを抜く事で姿勢を正しく導き、気血の流れを良くする事で立禅(站椿)の効果を増します。また、リラックスした柔軟な動きができる様になり、相手と対峙しても緊張しにくくなります。
この様に、スワイショウは健康法としても武術の練習方法としても、非常に簡単で効果の高いものです。
参考Webサイト:
「万病に効くといわれている両手振り運動やってみた」
- 参考文献:「太気拳の扉、天野 敏著、BABジャパン」「メビウス身体気流法、坪井繁幸著、平河出版社」「空手と太極拳でマインドフルネス、湯川進太郎著、BABジャパン」
禅の家庭教師 - 出張個人指導について
以上の修行法については、禅の家庭教師としての出張個人指導(マンツーマンレッスン)を行なっております。お申し込みに関しては以下の通りです。
出張個人指導(マンツーマンレッスン)につきましては、ご自宅にて指導します。
なお、坐禅以外は身体を動かしますが、畳3帖くらいの広さがあれば十分です。
費用については、ブッダの抜苦与楽(人々の苦を取り除いて楽を与える慈悲の働き)という教えに鑑み、生徒は自分が受けた恩恵を他の人たちと分かち合うために、自分の収入と意思に応じて交通費+ご志納(寄付)とさせていただきます。ご志納(寄付)は、その額の多少に関わらず、他者を助けたいという願いによって行われるべきです。
🔶出張範囲:基本的に京都市内(左記以外応相談)
🔶僻地で宿泊が必要な場合は別途宿泊費
稽古時の服装について:
トレーナーや体操着等、運動しやすい服装で大丈夫です。
レッスン曜日時間について:
月曜日~日曜日
10:00 ~ 20:00
上記以外応相談
出張個人指導のご予約は下記の予約フォームにてお願いします。予約は3ヶ月前から予約可能です。予約は基本的に1週間前までにお願いします。
※レッスン予定日に都合が悪くなった場合は3日前までに連絡して下さい。
やむ終えず急病などの場合は当日でもキャンセル料金はかかりませんが、稽古1時間前等既に出発している場合は交通費のみ頂きます。
退会・休会について: 違約金も休会費も一切かかりません。
インストラクターの紹介:
相川 行央(アイカワ ユキオ)
小・中学のいじめ、家庭内暴力、モラハラに立ち向かう為、14歳で柔道を始める。その後、空手、合気道、剣道、銃剣道、自衛隊格闘術、自衛隊空手、相撲、古流柔術、中国武術、現代柔術などを修行して、武道武術歴54年。瞑想歴46年。清心不還道宗家。
令和合気の会会長。
京都市在住。
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